必修教科 食品加工

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食品加工

 まずはジュースの基となるトマトにこだわりました。

Q.入手困難なほど人気のトマトジュースはどのようにして作られたのですか?
江本)従来から販売されていた有機栽培のトマトを使ったトマトジュースのおいしさに満足できず、よりおいしいトマトジュースを自分の手でつくろうと一念発起し、昭和62年に現在の会社を設立し、理想の味を探求を始めました。作り始めは苦労の連続で、思っていたような味が出せずに、甘くはないなと実感する日々が続きました。
無農薬で有機栽培のトマトなら絶対おいしくなるはずと信じ加工をするのですが、煮詰めていくと、ある段階になると味がガラッと変わり、有機栽培に使われていた牛糞、鶏糞、馬糞などの堆肥の臭いが出てくるんです。こうなったら製品にはできず、何度も捨てました。こうした苦労を重ねる中、循環農法に一緒に取り組む仲間との出会いが、おいしいトマトジュースの完成へと繋がったと思います。

羊の堆肥で作ったトマトとの出会いが成功のきっかけ。

Q.どのようなトマトだったのですか?
江本)同じ仁木町で果樹園を営む「井内」さんは、果樹園内に羊を放牧し、園内の雑草を食べさせて、除草をしていたのです。排泄された羊の糞をトマトやブドウなどの有機肥料として使用する。まさに農園内で循環農法が実践されているのです。そこで出来たトマトは、加工で煮詰めていっても、以前のような臭いや味の変化が無く、自然の美味しさたっぷりのトマトジュースが出来たんです。自然農法で作られた「井内」さんのトマトを使い、完全手作りにこだわった製造法で作るトマトジュースは、生産者と製造者が協力し合い完成させた、熱い思いが込められています。

夢をあきらめず、探求すれば
きっと実現するものです。

Q.調理師を目指す学生たちに、一言いただけますか。
江本)偉そうなことを言うつもりはありませんが、目標を持ったら失敗を恐れず、一生懸命努力を重ねることだと思います。おいしい料理を作り上げる調理師は、一生続けられる仕事ですからいいですね。食材の知識、調理技術など、身につける知識・技術は多いと思いますが、着実にマスターしていけば将来大きく飛躍することができるので、夢のある仕事だと思います。
私も今の味にたどり着くのに試行錯誤し、27年も掛かりました。これからもさらにおいしいトマトジュースを追求していこうと思っています。味の追求は永遠ですから。

〔食品加工産業セミナー〕 1年の主な内容
●北海道の酪農について。乳製品製造の仕組み。中標津町の牛乳と乳製品を使った実験実習(バター、乳酸飲料など)
●魚介類の加工(主に魚介類加工の基礎理論と実験実習)。
●発酵の原理。日本酒製造の原料とプロセス。実験実習(米麹の作り方、甘酒の作成)。
●石狩湾の魚を使った魚醤油。鮭節。実験実習(鮭節の削り体験、ふりかけの作成)。
●無農薬栽培について。実験実習(無農薬栽培トマトを使ったジュース)
●北海道の畜産について。実験実習(ベーコン、ソーセージなどの作成)